個人事業を行っている方にとって、退職金の積み立てをしておくことは必要です。
高齢になったので仕事を辞めるという場合だけでなく、突然の病気やケガなどで、仕事ができなくなった時にも役立てることができます。
退職金の積み立てとして考えられるものとして、生命保険や損害保険などがありますが、小規模企業共済への加入についても検討されてみては、いかがでしょうか。
目次
小規模事業共済の加入によるメリットについて
小規模企業共済の加入のメリットとしては、以下の2つがあります。
一つ目は、退職金として利用できる
二つ目は、所得税等・住民税の節税ができる
ということです。
退職金として利用できる
個人事業を廃業したや65歳以上で役員を退任したなどを理由として、共済金を一括で受け取る場合には、退職所得として、所得税や住民税を計算することとなります。
退職所得は、原則として他の所得と分離して計算し、かつ、下記の計算式により所得を求めるため、所得金額を圧縮することができ、所得税等・住民税を節税することができます。
(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額
※脱退する理由や退任理由によっては、また、分割で受け取るなどの場合には、退職所得として扱えない場合もございますので、事前にお調べください。
所得税等・住民税の節税ができる
所得税や住民税について、保険商品の場合ですと、保険料の一部しか生命保険料控除として、所得から控除ができません。
しかし、小規模企業共済の掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として、所得から控除することができます。
これにより、所得税等と住民税を節税することが可能です。
その他
月々の掛金を設定・変更することが可能
保険商品ですと、掛金の変更はできますが、保証額などが変わったり、新たに手続きをしないといけない場合もあります。
しかし、小規模企業共済については、書面一つで簡単に掛金の金額を変更することができます。
月々の掛金を1,000円から70,000円までの500円単位で自由に設定・変更することができます。
掛金の前納が可能
掛金の支払い方法については、前納、月払い、年払いから選択することができます。
加入資格
小規模企業共済は、以下のいずれかに該当する場合のみ加入できます。
(1)建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
(2)商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
(3)事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
(4)常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
(5)常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
(6)上記(1)と(2)に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
まとめ
参考になりましたでしょうか。
所得税等と住民税の節税についてご検討の場合には、参考にして下さい。
ただし、240ヶ月(20年)以上納付しないと、共済金が掛金の合計額を下回ることもございますのでご注意ください。
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