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現金管理の重要性
先日、監査のお手伝いに伺った際に、金庫のお金と現金照合表、現金出納帳を使って、残高が正しいかの確認を行いました。
経営の目的の一つには、お金を稼ぐことがあります。
お金をきちんと管理できているかは、社内の管理状況を示す指標の一つです。
現金の管理は基本
現在では、銀行振り込みやクレジットカード、ネットバンキングなどが普及し、現金での取引は、業種によって様々ですが、少なくなっているはずです。
また、電子マネーもあり、小口現金を持たない、現金は一切持たないという会社も珍しくないはずです。
しかし、預金であれ、電子マネーであれ、お金の管理は、しっかりとしないといけません。
お金のある所には、必ずリスクがあります。
横領や着服などの不正が発生することもあります。
だから、会計士による会計監査、税務調査でも、お金の管理に関する質問や確認がされます。
では、どのように現金の管理をすればいいのか?
現金管理の方法~基本~
現金管理をきちんと行う方法は、毎日、「出金・入金伝票」を発行し、現金帳簿残高と現金実査を行い、一致していることを確認することです。
間違いや不正を起こさないためには、
◆ 現金実査は、複数名で行う
◆ 最終責任者が必ず確認し、承認する
◆ 誰が、いつ、どうやって管理したかを記録として残す
ことが有効です。
現金管理の方法~その他~
毎日、現金実査を行うというのは、会社によって難しい場合もあります。
そういった場合にどうすればいいのか?
基本的に、銀行振り込みやクレジットカード決済にすることです。
それらに対応できないものについて、
提案1
一旦、役員や従業員に立替えてもらい、一定の日に清算する方法
提案2
役員や従業員に定額を仮払し、一定の日に清算する方法
などが考えられます。
また、小口現金は、できるだけ少なくしましょう。
小口現金の管理方法
小口現金の管理には、次の2つの方法があります。
◆ 定額資金前渡法(インプレスト・システム)
◆ 不定額資金前渡法(随時補給法)
そのうち、定額資金前渡法(インプレスト・システム)が、中小零細企業には有効です。
定額資金前渡法(インプレスト・システム)とは
1週間、1か月などの期間を設定し、どれくらいの現金が必要かを見積もって、それを週の初め又は月の初めに用意し、その期間は基本的にそのお金でやり繰りしていく方法です。
例えば、1か月に小口現金から出ていく金額が、約4万円の会社の場合、
・月初の現金残高:5万円
・その月の出金 :4万円
・月末の現金残高:1万円
※月末または月初に減っている現金(4万円)を追加する
・翌月月初の現金残高:5万円
の方法です。
もちろん、5万円以上になった場合には、超えた金額を銀行に預けて下さい。
まとめ
現金の管理は、毎日するとなると面倒に感じると思います。
しかし、社内の横領や着服の不正のリスク、盗難などのリスクもあります。
できるだけ、小口現金を減らし、最終的には、現金を持たない経営を目指して下さい。
今回は、改めて、現金の管理の重要性・必要性を考えるきっかけとなりました。
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